えいぷりるふ~る【アーシュ編】


朝方、見事にだまされたエレナは、どうにか彼を一杯食わしてやりたい。
何か妙案はないか?
友人であるアーシュに相談していたのだった。

補佐官のフィンが柔和な笑みを浮かべ、木漏れ日が差し込む窓に視線をやりながら、以前、仕入れた情報を披露する。
「エイプリルフールの話題ですか?
それなら僕、とっておきをひとつだけ知っています」
魔道師には、人を化かす風習はない。
しかし、彼は町への買い出しも担当している事から、公国の人々と触れ合う機会が多いのだった。
興味深そうにエレナが内容を聞き出す。
「どんなお話なの?」
「春のある時期にだけ咲く【幻の桜】です。
満開に咲き乱れる桜の中に、ごくまれにですが、たった一輪だけ青い花弁を咲かせる事があるそうです。
それを見つけて手に入れる事が出来た人は、どんな願い事でもかなうって言い伝えがあるみたいですね」
何か思いついたように、アーシュがぽんと手を打ち、エレナを唆した。
「おぉ!
なら、来年はお前さんの勝ちが確定したな!」
同席しているサラが不思議そうにおさげをいじる。
「なぜ奥様の勝ちが決まっているのでしょうか?」
アーシュが心の底から楽しそうに指を一本立て、作戦の内容を授ける。
「朝一番、あいつにおねだりすりゃいいんだよ。
青い桜の花びらが欲しい。ってな?」
ありもしない花弁を必死に探し続ける彼が見られる。
エレナもうれしそうに両手を小さく打った。
「名案ね!
来年は絶対、それでいくわ!!」
今から来年が楽しみで仕方ない。
絶望感に包まれた訪問時とは打って変わった軽い足取りで、エレナはサラを連れて、研究室を後にしたのだった。
アーシュも手を振って笑顔で見送る。
開け放れた窓からは、桜の花びらが数枚、風に乗ってふわりふわりと舞い踊りながら床に落ちていた。


エイプリルフールに関連したネタを思いついたので、珍しく?ブログ更新です。
前回のエイプリルフールの記事はこちら→レイフ編

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【注意!!】
今日の記事は、私が即興で思いついた【でっちあげ話】です。
真に受けたら絶対、ダメですからね?
実行される際は前回同様、自己責任でよろしくお願いします!

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